Classici giapponesi con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Leggi 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) di 小山 清 (こやまきよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.741 caratteri · 486 schermate
「そらごらん。」と母から云われたようである。おそらく、それまでにも母が一度ならず牛乳を与えても、私は嫌って飲まなかったのだろう。窓の外を通りかかったものが、常々自分が嫌っているものだとは知らず、私はしつこくせがんだのだろう。そのとき私は子供ながらにひどく懲りたらしく、その後かなり長いあいだ私は牛乳を毛嫌いしていた。私は牛乳を飲まず、母乳だけで育った子供のようである。瀬多屋という菓子屋と私の家は懇意にしていたようで、その後東京へ帰ってからも、その家のうわさがよく出た。瀬多屋の主人は私を可愛がってくれたそうである。
私が五つになった年に、父は文楽座を退いて、私達一家は東京へ帰った。鮨屋の娘で同じ年頃の女の子がいて、私と仲よしで、私が東京へ帰ることを聞かされて泣いたそうである。後になっても、その話を聞かされた。私はその女の子のことを少しも覚えていない。私達は夜汽車で大阪を立ったようである。夜の道を俥を連ねて停車場へ行った。私は母の膝に抱かれて俥に乗っていたのだろうが、前をゆく俥の後姿が眼に残った。発車前に、見送りにきてくれた人が、男の人が思いついたように駅弁を買って窓口から入れてくれたことを覚えている。