Classici giapponesi con furigana
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おちばのとなり
落葉の隣り
山本 周五郎
Leggi 落葉の隣り (おちばのとなり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.877 caratteri · 57 schermate
小村屋という名は繁次も聞いていた。日本橋本町二丁目の唐物商で、長者番付にも載るほどの富豪だという、主人の喜左衛門は茶人としても名高く、歌、俳諧なども堪能だという評判だった。――その厨子は先代の喜左衛門が紀伊家から賜わったのだが、作られたのはおよそ七百年まえであり、関白藤原のなにがし家の調度だった。そういう由緒のある品だから外へは出せない、参吉は小村屋へかよって修理をし、終りの七日ばかりは泊りこみでやった、ということであった。
「この青貝の脇を見てくれ」参吉は指で五カ所をさし示した、「これは鈴虫なんだ、こことここに五疋いるだろう、それで鈴虫の厨子という名が付いているんだ」
そして漆や蒔絵の図柄や、螺鈿のこまかい技巧について、蚊にくわれるのも知らず、熱をこめた口ぶりで、熱心に説明した。
――やっぱりたいしたやつになったな。
繁次はそう思ってたじろいだ。彼にはその厨子が、そんなに貴重な品かどうか見当もつかない。もちろん実物を見たわけではない、参吉の描いた絵と、その説明を聞いただけであるが、それだけでも実物を見るような感じがした。しかし彼がたじろいだのは、厨子に対する参吉の態度であった。