Classici giapponesi con furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate
「辻町、糸七の――『たそがれ』――というのがおありになって。」
と云った。
「おいで遊ばせ。」
と若い女房、おくれ馳せの挨拶をゆっくりして、
「ございますの。……ですけれど、絡りました一冊本ではありません……あの、雑誌の中に交って出ていますのでして。」
「ええ、そうですよ。」
と水紅色の半※(「巾+白」、第4水準2-8-83)がまたゆれる。
六
「ちょいちょい、お借り下さる方がございまして、よく出ますから。……唯今見ますけれど。」
女房は片膝立ちに腰を浮かしながら能書をいう。
「……私も読みたい読みたいと存じながら、商売もので、つい慾張りまして、ほほほ、お貸し申します方が先へ立ちますけれど。……何ですか、お女郎の心中ものだとか申しますのね。」
「そうですって。……『たそがれ』……というのが、その娼妓――遊女の名だって事です。」
と、凜とした眦の目もきっぱりと言った。簪の白菊も冷いばかり、清く澄んだ頬が白い。心中にも女郎にも驚いた容子が見えぬ。もっともこのくらいな事を気にしては、清元も、長唄も、文句だって読めなかろうし、早い話が芝居の軒も潜れまい。