Classici giapponesi con furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate
そんな事を、串戯でなくお思いなすったそうです。
芝居好な方で、酔っぱらった遊びがえりの真夜中に、あなた、やっぱり芝居ずきの俥夫と話がはずむと、壱岐殿坂の真中あたりで、俥夫は吹消した提灯を、鼠に踏まえて、真鍮の煙管を鉄扇で、ギックリやりますし、その方は蝦蟇口を口に、忍術の一巻ですって、蹴込へ踞んで、頭までかくした赤毛布を段々に、仁木弾正で糶上った処を、交番の巡査さんに怒鳴られたって人なんでございますもの。
芝居のちっと先方へいらっしゃると、咽喉を、そのしめ加減が違って来て、呼吸にさわるほどですから、払ってもとれないのを、無理にむしり離して、からだを二つ三つ廻りながら、掻きはなすと、空へ消えたようだったそうでございますのに、また、キーと、まるで音でもしますように戻って来て、今度は、その中指へくるくると巻きついたんですが、巻きつくと一所に、きりきりきりきり引きしめて、きりきり、きりきり、その痛さといっては。……
縫針のさきでさえ、身のうち響きますわ。ただ事でない。解くにも、引切るにも、目に見えるか、見えないほどだし、そこらは暗し、何よりか知った家の洋燈の灯を――それでもって、ええ。