Classici giapponesi con furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate
名を聞いただけでも空腹へキヤリと応える、雁鍋の前あたりへ……もう来たろう。
お京の爪皮が雪を噛んで出た。まっすぐに清水下の道へは出ないで、横に池について、褄はするすると捌くが、足許の辿々しさ。
十八
寒い、めっきり寒い。……
氷月と云う汁粉屋の裏垣根に近づいた時、……秋は七草で待遇したろう、枯尾花に白い風が立って、雪が一捲き頭巾を吹きなぐると、紋の名入の緋葉がちらちらと空に舞った。お京の姿は、傘もたわわに降り積り、浅黄で描いた手弱女の朧夜深き風情である。
「あら、月村さん。」
紅入ゆうぜんの裳も蹴開くばかり、包ましい腰の色気も投棄てに……風はその背後から煽っている……吹靡く袖で抱込むように、前途から飛着いた状なる女性があった。
濃緑の襟巻に頬を深く、書生羽織で、花月巻の房々したのに、頭巾は着ない。雪の傘の烈しく両手に揺るるとともに、唇で息を切って、
「済みません、済みませんでした、お約束の時間におくれッちまいまして。」
「まあ、よくねえ。」
と、此方も息を吻としながら、
「これではどうせ――三浜さん、来らっしゃらないと思ったもんですから、参詣を先に済ませて、失礼でしたわ。