Classici giapponesi con furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate
二十二
「仰せにゃ及ぶべき。そうよ、誰も矢野がふられたとは言やしない。今朝――先刻のあの形は何だい。この人、帰したくない、とか云って遊女が、その帯で引張るか、階子段の下り口で、遁げる、引く、くるくる廻って、ぐいと胸で抱合った機掛に、頬辺を押着けて、大きな結綿の紫が垂れ掛っているじゃないか。その顔で二人で私を見て、ニヤニヤはどうしたんだ、こっちは一人だぜ。」
「そうずけずけとのたまうな、はははは談じたまうなよ、息子は何でも内輪がいい。……まずお酌だ。」
いかがな首尾だか、あのくらい雪にのめされながら、割合に元気なのは、帰宅早々婆さんを使いに、角店の四方から一升徳利を通帳という不思議な通力で取寄せたからで。……これさえあれば、むかしも今も、狸だって酒は呑める。
二人とも冷酒で呷った。
やがて、小形の長火鉢で、燗もつき、鍋も掛ったのである。
「あれはね、いいかい、這般の瑣事はだ、雪折笹にむら雀という処を仕方でやったばかりなんだ。――除の二の段、方程式のほんの初歩さ。人の見ている前の所作なんぞ。――望む処は、ひけ過ぎの情夫の三角術、三蒲団の微分積分を見せたかった……といううちにも、何しろ昨夜は出来が悪いのさ。