Classici giapponesi con furigana
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うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Leggi 薄紅梅 (うすこうばい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.133 caratteri · 122 schermate
本来なら今朝の雪では、遊女も化粧を朝直しと来て、青柳か湯豆府とあろう処を、大戸を潜って、迎も待たず、……それ、女中が来ると、祝儀が危い……。一目散に茶屋まで仲之町を切って駆けこんだろう。お同伴は、と申すと、外套なし。」
「そいつは打殺したのを知ってる癖に。」
「萌した悪心の割前の軍用金、分っているよ、分っている……いるだけに、五つ紋の雪びたしは一層あわれだ、しかも借りものだと言ったっけかな。」
「春着に辛うじて算段した、苦生の一張羅さ。」
「苦生?……」
「知ってるじゃないか、月府玄蝉、弁持十二。」
「好い、好い。」
「並んだ中にいつも陰気で、じめじめして病人のようだからといって、上杉先生が、おなじく渾名して――久須利、苦生。」
「ああ、そう、久須利か。」
「くせえというようで悪いから、皆で、苦生、苦生だよ。」
「さてまたさぞ苦る事だろう、ほうしょは折目摺れが激しいなあ。ああ、おやおや、五つ紋の泡が浮いて、黒の流れに藍が兀げて出た処は、まるで、藍瓶の雪解だぜ。」
「奇絶、奇絶。――妙とお言いよ。」
「妙でないよ、また三馬か。」
「いい燗だ。そろそろ、トルストイ、ドストイフスキーが煮えて来た。