Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くすりうりのしょうねん

薬売りの少年

小川 未明

Leggi 薬売りの少年 (くすりうりのしょうねん) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 4438 caratteri · 9 schermate

Aozora Bunko

薬売りの少年は、下を見るとはるかに波が岩に砕け、日の光が射して、美しい虹を描いています。なるほど、がけの下まで、土は削り落とされて、五色に彩られた潮の匂う海が迫っていました。汽船がいくとみえて水平線に、一抹の煙が上り、沖の小島には、夜になると煌々として光を放つ燈台が、白い塔のようにかすんでいます。

「あれは、燈台ですか?」

「そうだよ、あの燈台の明かりは、先生のお家の座敷へ入るのだよ。」

「坊ちゃんたちは、日本海の冬の海を知らないでしょう。それは、すごいですよ。」と、薬売りの少年がいいました。

「そうかい、そんなにすごいかい。けれど、台風がくるのは、たいていあちらの南の方からだぜ。そのときは、大きな風が吹いて、波も高いのだよ。」

「なるほど、台風がきますね。」

少年は、沖の方を見て、茫然としていますと、そこへ、先生が片手にはこべを持って、門を開けて入ってきました。

「おまえは?」

先生は、けげんな顔をして、少年の前に立ちました。

「私は、薬売りですが、この後ごひいきにしていただこうと上がりました。」と、少年は頭を下げました。

「ここには、病気にかかる人はいないよ。