Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くすりうりのしょうねん

薬売りの少年

小川 未明

Leggi 薬売りの少年 (くすりうりのしょうねん) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 4438 caratteri · 9 schermate

Aozora Bunko

」と、先生はそっけなくいって断りました。

「でも、万一ということがあります。どうか一袋置かしていただきます。」と、少年はもう一度頭を下げました。

「薬など置いていかれると、病気を引き起こすようなものだ。いらないからさっさと帰ってくれ。」と、先生は少年をしかりつけるようにいいました。薬売りの少年は、なるほどがんこな人だと思いました。そして、こういう人は、話し相手もなく独りぼっちでいて、どんなに寂しかろうと想像されたので、

「お一人でいらしって、お心細いことはありませんか。」と、少年は、いったのでした。

「なんの、さびしいことがあるものか。人の声を聞きたいと思えばラジオがあるし、カナリヤは、一日じゅうこの窓でさえずっているし、ここは、前が海だから、台湾、上海、ハワイ、どこのラジオも手に取るように入ってくるのだ。」と、先生は、海原を見やって、誇らしげに語ったのです。

「ハワイからのラジオも聞こえますか?」

「夜の十時ごろには、手に取るようによく聞こえる。」

先生は、はこべをカナリヤにやろうとして窓のところへ近づきました。

「あ、カナリヤの足から血が出ていますよ。」と、薬売りの少年は、おどろいて、叫びました。