Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いもがゆ
薯粥
山本 周五郎
Leggi 薯粥 (いもがゆ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.018 caratteri · 24 schermate
監物忠善には、もう云うべき言葉はなかった。ただこれほどの人物を眼の前にして、おのれの家臣にできぬ恨みだけが、苦しいほど切なくかれの胸をしめつけるのだった。
十時隼人は矢作橋が完成するまでいたが、完成すると間もなく、来たときと同じように飄然と岡崎を去った。
「もうみんなに、薯粥のふるまいができなくなったからな」袂別の朝、さいごの粥を啜りあいながら、隼人は笑ってそういった、「また何処か人足の稼ぎのあるところへゆくよ、そして青草原のあるところへ、……この二つさえあるところなら、どこでもおれの道場だ」それから餞別としていって置くがと、かれは容を正していった、「戦場へ出て、一途不退転のはたらきをするのには、日常の生きかたが大切だ、百石の侍に出世することよりも、足軽として誰にも劣らぬすぐれた人間になれ、それが正しい生きかただ、今日まで教えたおれの兵法の根本は、ここにある、それを忘れぬように……」こうして、十時隼人と妻の七重とは去った。しかしかれが去ってからあとで、かれの評判は却って高くなった。さまざまな噂がうまれ、まことしやかな説がひろまった。
――十時隼人というのは仮名だった、あれは柳生家の十兵衛三厳どのだというぞ。