Classici giapponesi con furigana
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あいがめ
藍瓶
田中 貢太郎
Leggi 藍瓶 (あいがめ) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4676 caratteri · 10 schermate
二人の男の物腰はそれはどうしても刑事であった。順作は顫いあがった。
「警察から来たのだが、あなたは、芝の浜松町×××番地にいて、一昨昨日、ここへ越して来たのですか」
「そうです」
「お父さんと何故いっしょに来なかったのです」
「それは、いろいろ、それは商売のことで、やりくりがあるものですから、何人にも知らさずに引越して来たのです、それは爺親も知っております、爺親に聞いてくれたら判ります」
「たしかにそうかね」
「たしかにそうです」
「じゃ、君は未だ知らないね、君のお父さんは、君が引越した晩に、君のいた家の二階で変死したのだよ」
「え」
順作の驚いたのは昨夜己の手で瓶の下へ伏せた父親が一昨昨夜死んでいると云う奇怪さであった。しかし、それは云えなかった。
「君はお父さんは何故変死したと思うね」
「私が、私が、新宿の方でカフェーをやって失敗してから、あっちこっちと引越すことは、爺親も承知のうえのことでございました」
順作は奇怪な秘密に就いていろいろ考えたがどうしても判断がつかなかった。警察からはその後も数回詮議に来たので、父親の遺骸の火葬になっていることも判った。
三週間ばかりして順作はすっかり癒ったので、退院して己の家へ帰りかけたところで、何時の間にかあの空地の前へ出た。