Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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らん

蘭

山本 周五郎

Leggi 蘭 (らん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.247 caratteri · 21 schermate

Aozora Bunko

「……それで、つまり貴公は申しわけの使者というわけか」

「そうではない。黒沢のかわりだ」

「なに、かわりだと……では貴公がおれと果し合いをするつもりか」

「そのとおりだ」生之助は身じたくをしながらうなずいた。「……黒沢は勝山藩に欠けてならぬ人間だ。おれは、かれと幼少のころからいっしょに成長して来て、かれがどのような人物か、だれより、よく知っている。どちらかが死ぬとすれば、かれではなくて、このおれだ。これは友情ではない。勝山藩百年のためだ」

「おれは平三郎に果し状をつけたのだ。貴公との立ち合いはことわると云ったら、どうする」

「そんなことは、ありえないさ」

生之助はすでにはかまのももだちをとり、覆い物をぬいでいた。

「……なぜなら、そこもとが承知するしないにはかかわらない。おれは脇屋藤六を切る」

「と、と、と」こう叫んで藤六は二三間うしろへとびすさった。かれの面上には火がついたように闘志が燃え、双眸がにわかに殺伐な光を放ちだした。「……こいつは本気だ。こいつは骨がある。よし、相手になってやろう、抜け」

生之助は右足のつま先でとんとんと地面をたたき、しずかに刀を抜いた。