Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
妹ながら天晴な姿勢だハハハハ」
「沢山御冷やかしなさい。人がせっかく親切に言って上げるのに」
云いながら糸子は首を支えた白い腕をぱたりと倒した。揃った指が針箱の角を抑えるように、前へ垂れる。障子に近い片頬は、圧し付けられた手の痕を耳朶共にぽうと赤く染めている。奇麗に囲う二重の瞼は、涼しい眸を、長い睫に隠そうとして、上の方から垂れかかる。宗近君はこの睫の奥からしみじみと妹に見られた。――四角な肩へ肉を入れて、倒した胴を肘に撥ねて起き上がる。
「糸公、おれは叔父さんの金時計を貰う約束があるんだよ」
「叔父さんの?」と軽く聞き返して、急に声を落すと「だって……」と云うや否や、黒い眸は長い睫の裏にかくれた。派出な色の絹紐がちらりと前の方へ顔を出す。
「大丈夫だ。京都でも甲野に話して置いた」
「そう」と俯目になった顔を半ば上げる。危ぶむような、慰めるような笑が顔と共に浮いて来る。
「兄さんが今に外国へ行ったら、御前に何か買って送ってやるよ」
「今度の試験の結果はまだ分らないの」
「もう直だろう」
「今度は是非及第なさいよ」
「え、うん。アハハハハ。まあ好いや」
「好かないわ。――藤尾さんはね。