Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

白い石に野羽玉の波を跨ぐアーチの数は二十、欄に盛る擬宝珠はことごとく夜を照らす白光の珠である。

「空より水の方が奇麗よ」と注意した糸子の声に連れて、残る三人の眼はことごとく水と橋とに聚った。一間ごとに高く石欄干を照らす電光が、遠きこちらからは、行儀よく一列に空に懸って見える。下をぞろぞろ人が通る。

「あの橋は人で埋っている」

と宗近君が大きな声を出した。

小野さんは孤堂先生と小夜子を連れて今この橋を通りつつある。驚ろかんとあせる群集は弁天の祠を抜けて圧して来る。向が岡を下りて圧して来る。東西南北の人は広い森と、広い池の周囲を捨ててことごとく細長い橋の上に集まる。橋の上は動かれぬ。真中に弓張を高く差し上げて、巡査が来る人と往く人を左へ右へと制している。来る人も往く人もただ揉まれて通る。足を地に落す暇はない。楽に踏む余地を尺寸に見出して、安々と踵を着ける心持がやっと有ったなと思ううち、もう後ろから前へ押し出される。歩くとは思えない。歩かぬとは無論云えぬ。小夜子は夢のように心細くなる。孤堂先生は過去の人間を圧し潰すために皆が揉むのではないかと恐ろしがる。小野さんだけは比較的得意である。