Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
この両資格は多くの場合において反比例する。愛せらるるの資格を標榜して憚からぬものは、いかなる犠牲をも相手に逼る。相手を愛するの資格を具えざるがためである。たる美目に魂を打ち込むものは必ず食われる。小野さんは危い。倩たる巧笑にわが命を托するものは必ず人を殺す。藤尾は丙午である。藤尾は己れのためにする愛を解する。人のためにする愛の、存在し得るやと考えた事もない。詩趣はある。道義はない。
愛の対象は玩具である。神聖なる玩具である。普通の玩具は弄ばるるだけが能である。愛の玩具は互に弄ぶをもって原則とする。藤尾は男を弄ぶ。一毫も男から弄ばるる事を許さぬ。藤尾は愛の女王である。成立つものは原則を外れた恋でなければならぬ。愛せらるる事を専門にするものと、愛する事のみを念頭に置くものとが、春風の吹き回しで、旨い潮の満干で、はたりと天地の前に行き逢った時、この変則の愛は成就する。
我を立てて恋をするのは、火事頭巾を被って、甘酒を飲むようなものである。調子がわるい。恋はすべてを溶かす。角張った絵紙鳶も飴細工であるからは必ず流れ出す。我は愛の水に浸して、三日三晩の長きに渉ってもふやける気色を見せぬ。