Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
故意に自分を圧しつけようとしている景色が寸毫も先方に見えないのにこちらは何となく感じてくる。ただ会釈もなく思うままを随意に振舞っている自然のなかから、どうだと云わぬばかりに圧迫が顔を出す。自分はなんだか気が引ける。あの男に対しては済まぬ裏面の義理もあるから、それが祟って、徳義が制裁を加えるとのみ思い通して来たがそればかりではけっしてない。例えば天を憚からず地を憚からぬ山の、無頓着に聳えて、面白からぬと云わんよりは、美くしく思えぬ感じである。星から墜つる露を、蕊に受けて、可憐の弁を、折々は、風の音信と小川へ流す。自分はこんな景色でなければ楽しいとは思えぬ。要するに宗近と自分とは檜山と花圃の差で、本来から性が合わぬから妙な感じがするに違ない。
性が合わぬ人を、合わねばそれまでと澄していた事もある。気の毒だと考えた事もある。情ないと軽蔑んだ事もある。しかし今日ほど羨しく感じた事はない。高尚だから、上品だから、自分の理想に近いから、羨ましいとは夢にも思わぬ。ただあんな気分になれたらさぞよかろうと、今の苦しみに引き較べて、急に羨ましくなった。
藤尾には小夜子と自分の関係を云い切ってしまった。