Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

甲野さんは椅子をずらす。手捜に取り上げた洋筆軸は父が西洋から買って来てくれた昔土産である。

甲野さんは、指先に軸を撮んだ手を裏返して、拾った物を、指の谷から滑らして掌のなかに落し込む。掌の向を上下に易えると、長い軸は、ころころと前へ行き後ろへ戻る。動くたびにきらきら光る。小さい記念である。

洋筆軸を転がしながら、書物の続きを読む。頁をはぐるとこんな事が、かいてある。

「剣客の剣を舞わすに、力相若くときは剣術は無術と同じ。彼、これを一籌の末に制する事能わざれば、学ばざるものの相対して敵となるに等しければなり。人を欺くもまたこれに類す。欺かるるもの、欺くものと一様の譎詐に富むとき、二人の位地は、誠実をもって相対すると毫も異なるところなきに至る。この故に偽と悪とは優勢を引いて援護となすにあらざるよりは、不足偽、不足悪に出会するにあらざるよりは、最後に、至善を敵とするにあらざるよりは、――効果を収むる事難しとす。第三の場合は固より稀なり。第二もまた多からず。凶漢は敗徳において匹敵するをもって常態とすればなり。人相賊してついに達する能わず、あるいは千辛万苦して始めて達し得べきものも、ただ互に善を行い徳を施こして容易に到り得べきを思えば、悲しむべし」