Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

「行かないとなると、兄さんが切腹しなけりゃならない。大変だ」

俯向いた眼の色は見えぬ。ただ豊なる頬を掠めて笑の影が飛び去った。

「笑い事じゃない。本当に腹を切るよ。好いかね」

「勝手に御切んなさい」と突然顔を上げた。にこにこと笑う。

「切るのは好いが、あんまり深刻だからね。なろう事ならこのまんまで生きている方が、御互に便利じゃないか。御前だってたった一人の兄さんに腹を切らしたって、つまらないだろう」

「誰もつまると云やしないわ」

「だから兄さんを助けると思ってうんと御云い」

「だって訳も話さないで、藪から棒にそんな無理を云ったって」

「訳は聞さえすれば、いくらでも話すさ」

「好くってよ、訳なんか聞かなくっても、私御嫁なんかに行かないんだから」

「糸公御前の返事は鼠花火のようにくるくる廻っているよ。錯乱体だ」

「何ですって」

「なに、何でもいい、法律上の術語だから――それでね、糸公、いつまで行っても埓が明かないから、一と思に打ち明けて話してしまうが、実はこうなんだ」

「訳は聞いても御嫁にゃ行かなくってよ」

「条件つきに聞くつもりか。なかなか狡猾だね。――実は兄さんが藤尾さんを御嫁に貰おうと思うんだがね」