Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

「だって、こんなに出たいとおっしゃるんですもの。御可哀想じゃありませんか」

「そこが義理ですよ」

「それが義理なの。つまらないのね」

「つまらなかありませんやね」

「だって欽吾さんは、どうなっても構わない……」

「構わなかないんです。それがやっぱり欽吾のためになるんです」

「欽吾さんより御叔母さんのためになるんじゃないの」

「世の中への義理ですよ」

「分らないわ、私には。――出たいものは世間が何と云ったって出たいんですもの。それが御叔母さんの迷惑になるはずはないわ」

「だって、こんな雨が降って……」

「雨が降っても、御叔母さんは濡れないんだから構わないじゃありませんか」

汽車のない時の事であった。山の男と海の男が喧嘩をした。山の男が魚は塩辛いものだと云う。海の男が魚に塩気があるものかと云う。喧嘩はいつまで立っても鎮まらなかった。教育と名くる汽車がかかって、理性の楷段を自由に上下する方便が開けないと、御互の考は御互に分らない。ある時は俗社会の塩漬になり過ぎて、ただ見てさえも冥眩しそうな人間でないと、人間として通用しない事がある。それは嘘だ偽だと説いて聞かしてもなかなか承知しない。