Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

そうもったいぶったって、頭を下げるような哲学者じゃない」

「それじゃ、ひとまず安っぽく釈いてしまって、後から頭を下げさせる事にしよう。――あのね、あの琴の主はね」

「うん」

「僕が見たんだよ」

「そりゃ今聴いた」

「そうか。それじゃ別に話す事もない」

「なければ、いいさ」

「いや好くない。それじゃ話す。昨日ね、僕が湯から上がって、椽側で肌を抜いで涼んでいると――聴きたいだろう――僕が何気なく鴨東の景色を見廻わして、ああ好い心持ちだとふと眼を落して隣家を見下すと、あの娘が障子を半分開けて、開けた障子に靠たれかかって庭を見ていたのさ」

「別嬪かね」

「ああ別嬪だよ。藤尾さんよりわるいが糸公より好いようだ」

「そうかい」

「それっきりじゃ、余まり他愛が無さ過ぎる。そりゃ残念な事をした、僕も見ればよかったぐらい義理にも云うがいい」

「そりゃ残念な事をした、僕も見ればよかった」

「ハハハハだから見せてやるから椽側まで出て来いと云うのに」

「だって障子は締ってるんじゃないか」

「そのうち開くかも知れないさ」

「ハハハハ小野なら障子の開くまで待ってるかも知れない」

「そうだね。小野を連れて来て見せてやれば好かった」