Classici giapponesi con furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate
「御留守?」
「そうさね」
「御留守になさいますか」
「どう、しようか知ら」
「どっち、でも」
「逢おうかな」
「じゃ、通しましょう」
「おい、ちょっと、待った。おい」
「何です」
「ああ、好い。好し好し」
友達には逢いたい時と、逢いたくない時とある。それが判然すれば何の苦もない。いやなら留守を使えば済む。小野さんは先方の感情を害せぬ限りは留守を使う勇気のある男である。ただ困るのは逢いたくもあり、逢いたくもなくて、前へ行ったり後ろへ戻ったりして下女にまで馬鹿にされる時である。
往来で人と往き合う事がある。双方でちょっと体を交わせば、それぎりで御互にもとの通り、あかの他人となる。しかし時によると両方で、同じ右か、同じ左りへ避ける。これではならぬと反対の側へ出ようと、足元を取り直すとき、向うもこれではならぬと気を換えて反対へ出る。反対と反対が鉢合せをして、おいしまったと心づいて、また出直すと、同時同刻に向うでも同様に出直してくる。両人は出直そうとしては出遅れ、出遅れては出直そうとして、柱時計の振子のようにこっち、あっちと迷い続けに迷うてくる。しまいには双方で双方を思い切りの悪るい野郎だと悪口が云いたくなる。