Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

「そうか」

「そうかって、君の所へは無論通知が来たはずじゃ」

「君の所へは来たかい」

「うん、来た。君の所へは来んのか」

「いえ来た事は来たがね」

「いつ来たか」

「もう少し先刻だった」

「いよいよ結婚するんだろう」

「なにそんな事があるものか」

「せんのか、なぜ?」

「なぜって、そこにはだんだん深い事情があるんだがね」

「どんな事情が」

「まあ、それはおって緩っくり話すよ。僕も井上先生には大変世話になったし、僕の力で出来る事は何でも先生のためにする気なんだがね。結婚なんて、そう思う通りに急に出来るものじゃないさ」

「しかし約束があるんだろう」

「それがね、いつか君にも話そう話そうと思っていたんだが、――僕は実に先生には同情しているんだよ」

「そりゃ、そうだろう」

「まあ、先生が出て来たら緩くり話そうと思うんだね。そう向うだけで一人ぎめにきめていても困るからね」

「どんなに一人できめているんだい」

「きめているらしいんだね、手紙の様子で見ると」

「あの先生も随分昔堅気だからな」

「なかなか自分できめた事は動かない。一徹なんだ」

「近頃は家計の方も余りよくないんだろう」

「どうかね。そう困りもしまい」