Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

「慣れると何でもするもんだね」と相手も手を翳して見る。

「あれで一日働いて若干になるだろう」

「若干になるかな」

「下から聞いて見ようか」

「この流れは余り急過ぎる。少しも余裕がない。のべつに駛っている。所々にこう云う場所がないとやはり行かんね」

「おれは、もっと、駛りたい。どうも、さっきの岩の腹を突いて曲がった時なんか実に愉快だった。願くは船頭の棹を借りて、おれが、舟を廻したかった」

「君が廻せば今頃は御互に成仏している時分だ」

「なに、愉快だ。京人形を見ているより愉快じゃないか」

「自然は皆第一義で活動しているからな」

「すると自然は人間の御手本だね」

「なに人間が自然の御手本さ」

「それじゃやっぱり京人形党だね」

「京人形はいいよ。あれは自然に近い。ある意味において第一義だ。困るのは……」

「困るのは何だい」

「大抵困るじゃないか」と甲野さんは打ち遣った。

「そう困った日にゃ方が付かない。御手本が無くなる訳だ」

「瀬を下って愉快だと云うのは御手本があるからさ」

「おれにかい」

「そうさ」

「すると、おれは第一義の人物だね」

「瀬を下ってるうちは、第一義さ」

「下ってしまえば凡人か。