Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

じゃせいのいん 

蛇性の婬 

田中 貢太郎

Leggi 蛇性の婬 (じゃせいのいん) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.880 caratteri · 54 schermate

Aozora Bunko

「もし、もし、ちょっとその扇子を見せてください」

許宣と擦れ違おうとした男がふと立ちどまると共に、許宣の扇子を持った手を掴んだ。許宣はびっくりしてその男の顔を見た。男は扇子と扇子につけた珊瑚の墜児をじっと見てから叫んだ。

「盗人、盗人をつかまえたから、皆来てくれ」

許宣はびっくりして弁解しようとしたがその隙がなかった。彼の体にはもう縄がひしひしと喰いついて来た。彼はその場から府庁に曳かれて往った。

「その方の衣服と扇子は、それで判っておるが、その余の贓物は、どこへ隠してある、早く云え、云わなければ、拷問にかけるぞ」

許宣は周将仕家の典庫の盗賊にせられていた。

「私の着ている衣服も、持っている扇子も、皆家内がくれたもので、決して盗んだものではありません」

府尹は怒って叱った。

「詐りを云うな、そのほうがいくら詐っても、その衣服と扇子が確な証拠だ、それでも家内がくれたと云うなら、家内を伴れてくる、どこにおる」

「家内は吉利橋の王主人の家におります」

「よし、そうか」

府尹は捕卒に許宣を引き立てさせて王主人の家へ往かした。家にいた王主人は、許宣が捕卒に引き立てられて入って来たのを見てびっくりした。