Classici giapponesi con furigana
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じゃせいのいん
蛇性の婬
田中 貢太郎
Leggi 蛇性の婬 (じゃせいのいん) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.880 caratteri · 54 schermate
法師は驚いて気絶したがとうとう死んでしまった。
豊雄が往ってみると美しい富子となっていた。豊雄は己のために人に迷惑をかけてはすまないから、己は怪しいものの往くところに従いて往くと云った。庄司はそれをとめて、小松原の道成寺へ往って法海和尚に頼んだ。法海和尚は「今は老朽ちて、験あるべくもおぼえ侍らねど、君が家の災を黙してやあらん」と云って芥子の香のしみた袈裟を執りだして、「畜をやすくすかしよせて、これをもて頭に打被け、力を出して押しふせ給え、手弱くあらばおそらくは逃去らん」と云った。庄司は喜んで帰って、その袈裟をそっと豊雄にわたした。豊雄は富子の閨房へ往って隙を見て、袈裟を被せ、力をきわめて押しふせた。そこへ法海和尚の轎が来た。和尚は何か念じながら豊雄を退かして袈裟を除ってみると、そこには富子がぐったりとなっている上に三尺ばかりの白い蛇がとぐろをまいていた。和尚はそれを捉えて弟子が捧げている鉄鉢に入れた後で、又念じていると屏風の背から一尺ばかりの小蛇が這いだして来た。和尚はそれも捉えて鉄鉢にいっしょに入れ、彼の袈裟を上からかけて封をし、それを携えて帰りかけたので、豊雄はじめ一家の者は掌をあわせ涙を流して見送った。