Classici giapponesi con furigana
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へび
蛇
Leggi 蛇 (へび) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.073 caratteri · 23 schermate
足さんの処に嫁入をするとき、負けてはならぬから行くのだなどという噂さえあった。それが十八になって、穂積の息子と前後して都から帰ったのである。そこで二人の結婚はほとんど周囲から余儀なくせられたような有様であった。今の主人はこの相談を母にせられたとき、どうでも好いと云った。母の方では、東京のような風儀の好くない土地にいて、女の事について何事もなかった倅の、遠慮深い口から、どうでも好いというのは、喜んで迎える気になっているのだと思って、直ぐに話を運ばせた。先方では待っていたらしかった。殊に娘さん自身が待っていたらしいということさえ、媒人の口から穂積家へ伝えられた。見合いの済んだ頃には、珍らしい良縁だと、長野の新聞にまで出て、穂積の親類は勿論、知らぬ人まで讃めて、羨んで、妬んで、騒いでいる中に、ただ清吉爺いさん一人は、若い主人の素振が腑に落ちないように思った。それは自分に問屋の主人が女房を持たせると始て云った時の事に思い較べて見たからである。自分はその時もう三十五になっていた。それまで死に身になって稼いだので、女と聞いて胸の轟く時は徒らに過ぎ去って、心が落ち着いていた。