Classici giapponesi con furigana
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しじみだに
蜆谷
山本 周五郎
Leggi 蜆谷 (しじみだに) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.957 caratteri · 28 schermate
いいから来てお坐り」
だがお直は泣くばかりだった、弥之助は立ってゆき、拒もうとするお直をかかえるようにして自分の脇へつれて来て坐らせた。
「みなさんもよく聞いておくんなさい、わずか四十日ばかりでもお直と私は夫婦だった、舅どのが留守に来て縁を切ったというが、良人の私は離縁した覚えはない、今日からまた家へ戻ってもらいます、おっ母さん」彼はげん女のほうへ向き直った。
「私の留守ちゅう、お直は良い嫁じゃあなかった、けれどもそれは私がいたらなかったからだ、四十日も一緒にいて、嫁らしい嫁にできなかったのは私が足りなかったからだ。これからはいい嫁になってくれると思います。戻してやっておくんなさい、おっ母さんお頼み申します」
すべてが納まるように納まってから、弥之助は水口駅の伝馬問屋へでかけていった、検荷役をやめる届けをするためである。……暗いうちに家を出た彼が、丘を一つ越して八幡村へはいったとき、しらじらと明けかかる田道を、二人の男が湖のほうへゆくのと出会った。
「なむあみだ、なみあみだ」と一人の老人が呟やいていた。
「なんてえ冷えだ、骨までみしみしいうわい、こんな日に出て来るなんてきっと仏さまの罰が当たるだ」