Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くものゆめ

蜘蛛の夢

岡本 綺堂

Leggi 蜘蛛の夢 (くものゆめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.189 caratteri · 298 schermate

Aozora Bunko

磯貝は去年もこの町へ避暑に来て、六兵衛の店へもたびたび遊びに来るうちに、ある日小鳥の飼い方の話が出ると、六兵衛は大自慢で、自分が手掛ければどんな鳥でも育たないことはないと言った。その高慢が少し面憎く思われたのか、それとも別に思惑があったのか、磯貝はきっと相違ないかと念を押すと、六兵衛はきっと受合うと強情に答えた。それから五、六日経つと磯貝は一箇の薄黒い卵を持って来て、これを孵してくれといった。見馴れない卵であるからその親鳥をきくと、それは慈悲心鳥であることが判った。

日光山の慈悲心鳥――それを今さら詳しく説明する必要もあるまい。磯貝は途方もない物好きと、富豪の強い贅沢心とからで、その慈悲心鳥を一度飼ってみたいと思い立って、中禅寺にいる者に頼んでいろいろに猟らせたが、霊鳥といわれているこの鳥は声をきかせるばかりで形を見せたことはないので、彼は金にあかしてその巣を探させた。そうして、結局それは時鳥とおなじように、鶯の巣で育つということを確かめて、高い値を払ってその卵を手に入れたが、それをどうして育ててよいか見当がつかないので、彼は六兵衛のところへ持って来て頼んだのであった。