Classici giapponesi con furigana
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
Leggi 蜘蛛の夢 (くものゆめ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.189 caratteri · 298 schermate
「いったい我れわれを出し抜いて、自分たちばかりで手柄をしようとたくらむから悪いのだ。」と、彼は他の朋輩からも笑われた。
叱られたり笑われたりして、覚悟の上とはいいながら甚七も少しく取り逆上せたらしい。かれは危うく切腹しようとするところを、朋輩どもに支えられた。それを聞いて組頭はまた叱った。
「市五郎が怪我人となったさえあるに、甚七までが切腹してどうするのだ。他の者どもを案内して行って、早く市五郎を連れて帰れ。」
朋輩共も一旦は笑ったものの、ただ笑っていて済むわけのものではないので、組頭の指図にしたがって、十人はすぐに支度をして城を出た。甚七は無論その案内に立たされた。神原君の先祖の茂左衛門基治はその当時十九歳の若侍で、この一行に加わっていたのである。
その途中で年長の伊丹弥次兵衛がこんなことを言い出した。
「組頭はただ、古河市五郎を連れ帰れというだけの指図であったが、海馬の噂は我れわれも聞いている。そのままに捨てておいては、お家の威光にかかわる事だ。殊に甚七と市五郎がかような不覚をはたらいたのを、唯そのままに致しておいては、他国ばかりでなく、御領内の民百姓にまで嘲り笑わるる道理ではないか。