Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かにのしょうばい

蟹のしょうばい

新美 南吉

Leggi 蟹のしょうばい (かにのしょうばい) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 983 caratteri · 2 schermate

Aozora Bunko

というのは、わたしのあとで、わたしのお父さんの毛もかってもらいたいのさ。」

「へい、おやすいことです。」

そこで、蟹のうでをふるうときがきました。

ちょっきん、ちょっきん、ちょっきん。

ところが、蟹というものは、あまり大きなものではありません。蟹とくらべたら、たぬきはとんでもなく大きなものであります。その上たぬきというものは、からだじゅうが毛むくじゃらであります。ですから仕事はなかなかはかどりません。蟹は口から泡をふいていっしょうけんめいはさみをつかいました。そして三日かかって、やっとのこと仕事はおわりました。

「じゃ、やくそくだから、わたしのお父さんの毛もかってくれたまえ。」

「お父さんというのは、どのくらい大きなかたですか。」

「あの山くらいあるかね。」

蟹はめんくらいました。そんなに大きくては、とてもじぶんひとりでは、まにあわぬと思いました。

そこで蟹は、じぶんの子どもたちをみなとこやにしました。子どもばかりか、まごもひこも、うまれてくる蟹はみなとこやにしました。

それでわたくしたちが道ばたにみうける、ほんに小さな蟹でさえも、ちゃんとはさみをもっています。