Classici giapponesi con furigana
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かにこうせん
蟹工船
小林 多喜二
Leggi 蟹工船 (かにこうせん) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.890 caratteri · 125 schermate
明日の朝にならないうちに、色よい返事をしてやるから」――だが、云うより早かった、芝浦が監督のピストルをタタキ落すと、拳骨で頬をなぐりつけた。監督がハッと思って、顔を押えた瞬間、吃りがキノコのような円椅子で横なぐりに足をさらった。監督の身体はテーブルに引っかかって、他愛なく横倒れになった。その上に四本の足を空にして、テーブルがひっくりかえって行った。
「色よい返事だ? この野郎、フザけるな! 生命にかけての問題だんだ!」
芝浦は巾の広い肩をけわしく動かした。水夫、火夫、学生が二人をとめた。船長室の窓が凄い音を立てて壊れた。その瞬間、「殺しちまい!」「打ッ殺せ!」「のせ! のしちまえ!」外からの叫び声が急に大きくなって、ハッキリ聞えてきた。――何時の間にか、船長や雑夫長や工場代表が室の片隅の方へ、固まり合って棒杭のようにつッ立っていた。顔の色がなかった。
ドアーを壊して、漁夫や、水、火夫が雪崩れ込んできた。
昼過ぎから、海は大嵐になった。そして夕方近くになって、だんだん静かになった。
「監督をたたきのめす!」そんなことがどうして出来るもんか、そう思っていた。