Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かにこうせん

蟹工船

小林 多喜二

Leggi 蟹工船 (かにこうせん) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.890 caratteri · 125 schermate

Aozora Bunko

――彼等はそれを何度繰りかえしても、出来の悪い子供のように、次の年には又平気で(?)同じことをやってのけた。

菓子折を背負った沖売の女や、薬屋、それに日用品を持った商人が入ってきた。真中の離島のように区切られている所に、それぞれの品物を広げた。皆は四方の棚の上下の寝床から身体を乗り出して、ひやかしたり、笑談を云った。

「お菓子めえか、ええ、ねっちゃよ?」

「あッ、もッちょこい!」沖売の女が頓狂な声を出して、ハネ上った。「人の尻さ手ばやったりして、いけすかない、この男!」

菓子で口をモグモグさせていた男が、皆の視線が自分に集ったことにテレて、ゲラゲラ笑った。

「この女子、可愛いな」

便所から、片側の壁に片手をつきながら、危い足取りで帰ってきた酔払いが、通りすがりに、赤黒くプクンとしている女の頬ぺたをつッついた。

「何んだね」

「怒んなよ。――この女子ば抱いて寝てやるべよ」

そう云って、女におどけた恰好をした。皆が笑った。

「おい饅頭、饅頭!」

ずウと隅の方から誰か大声で叫んだ。

「ハアイ……」こんな処ではめずらしい女のよく通る澄んだ声で返事をした。「幾ぼですか?」