Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

はえおとこ

蠅男

海野 十三

Leggi 蠅男 (はえおとこ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 118.129 caratteri · 237 schermate

Aozora Bunko

その殺人犯の糊本が刑死すると、塩田検事正の取計いで彼のまだ生温い屍体はドクトル鴨下の待っていた寝台自動車のなかに搬びいれられた。

糊本はドクトルの手で、見事に蘇生せしめられた。しかし彼は蘇生したことを悦ぶ前に、身動きならぬほど厳重に手術台の上に縛りつけられている我が身を怪しまねばならなかった。彼の眼は、ピカピカ光るメスを手にした鴨下ドクトルを見つけた。「何事?」と詰問しようと思ったとき、彼の鼻孔には麻酔薬の高い匂いが香った。――ドクトルの実験は、そのような光景の中に始まったのである。

鴨下ドクトルは、糊本の手足を、惜し気もなく電気メスで切断した。そればかりではない。腹腔をたち割って、腸を三分の一に縮めた。胃袋はすっかり取り去られて、食道と腸とが連結された。肺臓とか腎臓とか二つある内臓の一つは切除された。不用な骨や筋肉が取り去られた。満足なのは頸から上だけだった。四時間ほどのうちに遂に手術台の上の糊本の身体は、見るかげもなく小さく縮められた。まるで首の下に肉色の男枕をくくりつけたような畸形人間となり果てた。なんという無慚な浅ましい姿に変ってしまったのだろう。