Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はえおとこ

蠅男

海野 十三

Leggi 蠅男 (はえおとこ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 118.129 caratteri · 237 schermate

Aozora Bunko

だからこれは――」

検事はそこで云いかけた言葉を切って、ギロリと目を光らせた。

「何だす、検事さん。何かおましたか」

「うむ、正木君。さっきからどうも変なことがあるんだ。血痕の上に触った綱に二種あるんだ。つまり綱の跡にしても、これとこれとは違っている。だから二種類の綱を使ったことになるんだが、現在屍体の頸に懸っているのは一本きりだ」

そういって検事は不思議そうに室内を見廻した。

血によって印刷された綱の跡――このような一見つまらないものを見遁がさなかったのは、さすがに名検事の誉高き村松氏であった。それこそ恐るべき「蠅男」の正体を語る一つの重大な鍵であったとは、後になって思いだされたことだった。

糸子の質問

室内を見廻している村松検事は、そこに帆村の姿を認めたので声をかけた。帆村はしきりに天井を見上げているところであった。

「なんです、検事さん」

「うむ帆村君、ちょっとここへ上って見てくれたまえ。ここに君が面白がるものがあるんだ」

といって、村松検事は宙に下っている総一郎の頸のあたりを指した。

帆村は身も軽々と、踏台の上にとびのった。

「ああこれですか。