Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちぬられたかいとう

血ぬられた懐刀

国枝 史郎

Leggi 血ぬられた懐刀 (ちぬられたかいとう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.586 caratteri · 71 schermate

Aozora Bunko

部屋の朦朧とした光に照らされ、妖怪じみて立っている。

その部屋の様の艶妖なことよ! そうして異国じみていることよ!

部屋の一所に浴槽があって、淡黄色の清らかな湯が、滑石の浴槽の縁をあふれて、床へダブダブとこぼれている。その傍らの壁の高所に、銀製の漏斗型の管があって、そこから香水の霧水沫が、絶間なく部屋へ吹き出している。が、浴槽は呂宋織りらしい、男女痴遊の浮模様のある、垂布の向う側にあるところから、ハッキリ見ることは出来なかった。更に部屋の一所に、一人寝の寝台が置いてあった。張られてあるのは天鵞※であって、深紅の色をなしていた。が、尋常の寝台ではなく、一度その中へ寝ようものなら、リズムをもって上下へ動き、寝ている人の愛慾を、自然にそそるように出来ていた。寝部屋の天井に描かれてあるのは、曲線ばかりの模様であった。

…………

そういう連想を見る人の心へ、起こさせるように出来ていた。

が、その部屋もバタビヤ織りらしい、これも深紅の垂布によって、入口を蔽われているがために、ハッキリと見ることは出来なかった。

お紅の坐っている部屋のつくりには、これといって特異なものはなかった。