Classici giapponesi con furigana
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ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Leggi 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.970 caratteri · 176 schermate
お礼申す。その夜お断わりもいたさず武蔵屋を立ち退きましたは、とり逃がしました左門を探し出そうためで。……しかし挨拶なしにお暇いたしましたは拙者の不調法、お詫びつかまつる。……いやナニここへ参りましたのもほんの偶然からで。……さよう、窓から、お浦殿の顔と典膳めの顔とが……どっちみち偶然からで。……それにいたしましても、只今のお言葉、ちと不穏当! 合点ゆきませぬ! ……誘拐者とは? 盗賊とは?」
と云い云い、頼母は、油断なく四方へ眼を配った。
納屋の血煙り
「吐かすな!」と、首根っ子に瘤のある乾児が叫んだ。「白々しい三ピン! 何を云うか! ……親分の恋女、お浦を誘惑し、五郎蔵一家の守護神、天国の剣を持ち出させながら、白々しい! ……」
「他人の恋女をそそのかしゃア誘拐者よ!」
「刀を持ち出させりゃ盗賊だ!」
乾児たちは口々にまた喚きだした。
頼母は(さてはそれでか)と思った。お浦と関係など附けたことはなく、附けようと思ったことさえなかったが、お浦の方では、そういう関係になるべく希望んでいたことは争われなかったし、天国の剣をお浦に持ち出してくるよう依頼んだのは、確かに自分なのであるから、乾児たちにそう云われてみれば、言下に反駁することは出来なかった。