Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

Leggi 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.970 caratteri · 176 schermate

Aozora Bunko

拙者は、松戸の五郎蔵殿のもとへ参るつもりじゃ。関東には鼻を突くほど、立派な親分衆がござるが、五郎蔵殿ほど、我々のような浪人者を、いたわってくださる仁はござらぬ」

「それも、五郎蔵殿が、武士あがりだからでございましょうよ」

酔った頬を、夜風に嬲られる快さからか、四人の者は、雨戸の間に、目白のように押し並び、しばらくは雑談に耽ったが、やがて部屋の中へはいった。とたんに、

「やッ、腰の物が見えぬ!」と、角右衛門が、狼狽したように叫んだ。

皿や小鉢や燗徳利の取り散らされてある座敷に突っ立ったまま、四人は、また顔を見合わせた。わずかな時間に、四人の刀が、四本ながら紛失しているではないか。

「盗まれたのじゃ」

「家の者を呼んで……」

「いやいやそれ前に、一応あたりを調べて……」と、年嵩だけに、角右衛門は云い、燭台をひっさげると、次の間へ出た。次の間にも刀はなかった。その次の間へ行った。そこにも刀はなかった。そこを出ると廊下で、鉤の手に曲がっていた。その角にあたる向こう側の襖をあけるや、角右衛門は、

「おお、これは!」と云って、突っ立った。

続いた三人の武士も、角右衛門の肩ごしに部屋の中を覗いたが、「おお、これは!」