Classici giapponesi con furigana
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こうじん
行人
Leggi 行人 (こうじん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.801 caratteri · 452 schermate
自分はとにかくその佐野という人に明日会おうという約束を岡田として、また六畳の二階に上った。頭を枕に着けながら、自分の結婚する場合にも事がこう簡単に運ぶのだろうかと考えると、少し恐ろしい気がした。
八
翌日岡田は会社を午で切上げて帰って来た。洋服を投出すが早いか勝手へ行って水浴をして「さあ行こう」と云い出した。
お兼さんはいつの間にか箪笥の抽出を開けて、岡田の着物を取り出した。自分は岡田が何を着るか、さほど気にも留めなかったが、お兼さんの着せ具合や、帯の取ってやり具合には、知らず知らず注意を払っていたものと見えて、「二郎さんあなた仕度は好いんですか」と聞かれた時、はっと気がついて立ち上った。
「今日はお前も行くんだよ」と岡田はお兼さんに云った。「だって……」とお兼さんは絽の羽織を両手で持ちながら、夫の顔を見上げた。自分は梯子段の中途で、「奥さんいらっしゃい」と云った。
洋服を着て下へ降りて見ると、お兼さんはいつの間にかもう着物も帯も取り換えていた。
「早いですね」
「ええ早変り」
「あんまり変り栄もしない服装だね」と岡田が云った。
「これでたくさんよあんな所へ行くのに」