Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

こうじん

行人

夏目 漱石

Leggi 行人 (こうじん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.801 caratteri · 452 schermate

Aozora Bunko

と三沢は云っていた。

「あの女」の見舞客はみんな女であった。しかも若い女が多数を占めていた。それがまた普通の令嬢や細君と違って、色香を命とする綺麗な人ばかりなので、その中に交るこの母は、ただでさえ燻ぶり過ぎて地味なのである。自分は年を取った貧しそうなこの母の後姿を想像に描いて暗に憐を催した。

「親子の情合からいうと、娘があんな大病に罹ったら、母たるものは朝晩ともさぞ傍についていてやりたい気がするだろうね。他人の下女が幅を利かしていて、実際の親が他人扱いにされるのは、見ていてもあまり好い心持じゃない」

「いくら親でも仕方がないんだよ。だいち傍にいてやるほどの時間もなし、時間があっても入費がないんだから」

自分は情ない気がした。ああ云う浮いた家業をする女の平生は羨ましいほど派出でも、いざ病気となると、普通の人よりも悲酸の程度が一層甚だしいのではないかと考えた。

「旦那が付いていそうなものだがな」

三沢の頭もこの点だけは注意が足りなかったと見えて、自分がこう不審を打ったとき、彼は何の答もなく黙っていた。あの女に関していっさいの新智識を供給する看護婦もそこへ行くと何の役にも立たなかった。