Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうじん

行人

夏目 漱石

Leggi 行人 (こうじん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.801 caratteri · 452 schermate

Aozora Bunko

岐阜からわざわざ本願寺参りに京都まで出て来たついでに、夫婦共この病院に這入ったなり動かないのもいた。その夫婦ものの室の床には後光の射した阿弥陀様の軸がかけてあった。二人差向いで気楽そうに碁を打っている事もあった。それでも細君に聞くと、この春餅を食った時、血を猪口に一杯半ほど吐いたから伴れて来たのだともったいらしく云って聞かせた。

「あの女」の看護婦は依然として入口の柱に靠れて、わが膝を両手で抱いている事が多かった。こっちの看護婦はそれをまた器量を鼻へかけて、わざわざあんな人の眼に着く所へ出るのだと評していた。自分は「まさか」と云って弁護する事もあった。けれども「あの女」とその美しい看護婦との関係は、冷淡さ加減の程度において、当初もその時もあまり変りがないように見えた。自分は器量好しが二人寄って、我知らず互に嫉み合うのだろうと説明した。三沢は、そうじゃない、大阪の看護婦は気位が高いから、芸者などを眼下に見て、始めから相手にならないんだ、それが冷淡の原因に違ないと主張した。こう主張しながらも彼は別にこの看護婦を悪む様子はなかった。自分もこの女に対してさほど厭な感じはもっていなかった。