Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こううんりゅうすい

行雲流水

坂口 安吾

Leggi 行雲流水 (こううんりゅうすい) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.645 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

★

「和尚さん。すみませんけど、あの野郎、まだ成仏ができないようですから、お経をあげて引導わたしてやって下さいな。夜中になると、骨壺がカタコト鳴りやがって、うるさくッて仕様がないんですよ」

「気のせいだよ。お前さんも神経衰弱になったんだろう。オカミサンに限って、あの病気にかからないと思っていたが、世の中は一寸先がわからないものだ」

「バカにしちゃ、いけないよ。あんなバカ野郎が一束クビをくゝりやがったって、私が神経衰弱なんかになるもんかね。和尚さんがお経を切りすてるから、あの野郎が成仏できないのよ」

「ちかごろは物覚えがわるくなってな。お経などゝいうものは、切りすてるほど味のでるものだ。いずれヒマの折にお経をつぎたしてあげるから、ゆっくり亡魂と語り合うのがよろしかろう」

「ふざけやがんな。オタンコナスめ」

と、漬物屋のオカミサンは怒って帰って行ったが、一時間ほどすると、浮かない顔でやってきた。

「和尚さん。呆れかえって物が云えないやね。本当に亡魂がでゝきやがったんですよ」

「珍しいな。何か言ったか」

「そんなんじゃないんですよ。骨壺がガタガタ云うのもおかしいでしょう。