Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Leggi 街はふるさと (まちはふるさと) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 193.435 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

克子は、茶の間の青年が、記代子の行方をさがして、彼女の帰りを待っていたときいて、不キゲンであった。

彼女は黙りこくッて、考えこんでいたが、

「ねえ。会社の御用なんて、嘘でしょう」

「いいえ。なぜですか」

克子は薄笑いをうかべた。

「嘘にきまってるわ。記代子さんがサボッたのに、急用だなんて。昼間だったら、それで人をだませるけど、もう夜よ。会社はひけてるでしょう。サボッた記代子さんも家へ帰ってるわ。なぜ記代子さんちへ行かないの。家に居ないからでしょう。行方不明だからでしょう」

五

「ずいぶん御心配らしいわね」

克子の冷笑はするどかった。

「とうとう家出したのね。無軌道ね。記代子さんらしい結末だわ。ニンシンしていたんですものね」

目をあげて、放二を嘲笑した。

「そんな失礼なことを」

母親はハラハラして、

「あなた、記代子さんの行先に心当りはないのですか」

「知らないわ。十日ほど前に、会ったけど、お茶ものまずに別れたわ。最近は、そう親しくしていないのよ」

これ以上きいてもムダだと放二は思った。

「ほかに記代子さんの親しいお友だちは、どなたでしょうか」

「どこを捜したんですの?」