Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はだかぎ

裸木

豊島 与志雄

Leggi 裸木 (はだかぎ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.049 caratteri · 33 schermate

Aozora Bunko

」

佐野が外から帰ってくると、敏子はさも大事件のように彼へ報告した。

「ほう、武田君が。」

「ええ。随分長く、二時間くらい待っていらしたが、お帰りなさらないので……。」

「何か用かしら。」

「尋ねてみたんですけれど、別に用はないんですって。……こないだ、あなたはお逢いなすったんですってね。」

「あ、そうそう、話すのを忘れていたが……。」

佐野はぎくりとした。折が折だったので、後になって、二三日前に逢ったという風に、漠然と話すつもりだったが、まだそのままになっていた。

敏子は一寸不審そうな眼付をしていた。

「二時間も……何を話していったんだい。」

「何ということはなく……口を利くのが面倒だって風に、黙りこんで子供ばかり見ていらしたわ。奥さんがなくなって、やっぱり淋しいんでしょう。」

「そりゃあね……。」

「そうそう、あなたと同じようなことを云ってらしたわ。子供の匂いはどこか果物の匂いに似てるって……。」

「そうれごらん。」

「だけど、子供の寝顔を見てると海を思い出すって、そうあなたが仰言ったことを云うと、ふいと大きな声で笑い出しなすったわ。わたしびっくりしちゃった。」

「ふーむ、分らないんだよ。