Classici giapponesi con furigana
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はだかぎ
裸木
豊島 与志雄
Leggi 裸木 (はだかぎ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.049 caratteri · 33 schermate
佐野には黒子が多かった。敏子には薄い雀斑があった。
「ははは、坊やを僕達と比較して見てるんだね。」
「武田さんにだって、随分雀斑があるじゃありませんか。色が黒いから目立たないけれど……。」
「だが、そんなにくわしく坊やを観察して、どうするんだろう。」
「だから、坊やに惚れこんでるのよ。」
「冗談じゃないよ。」
実際冗談じゃなかった。家庭内の秘密まですっかり発かれる……というほどではないが、変に自分達の生活まで白日に曝される、とそんな気が佐野にはした。不愉快だった。
佐野が家に居合せる時でも、武田は書斎の方へは通らないで、子供のいる方へ勝手にはいりこんでいった。それを敏子は親しく迎えていた。
八畳の室。日射の遠い北の窓近くに、母衣蚊帳が拡げてある。赤ん坊がすやすや眠っている。傍で敏子は針仕事をしている。引きつめた束髪に結っている。それが彼女によく似合って、年齢よりは若く見せる。額の広い細長い顔だから、大きな束髪よりも引きつめたものの方が、若々しくなるのである。鼈甲の櫛が一つ、程よい装飾をなしている。その母と子とから少し離れて、縁側に、武田が寝そべっている。