Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらんしょうにんについて

親鸞聖人について

吉川 英治

Leggi 親鸞聖人について (しんらんしょうにんについて) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.038 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

おそらくは人間同士どうしてこう殺し合いが好きなものか、たのしめるこの春夏秋冬を、どうしてたのしまずにいがみ合い、刃物ばかりきらめかしているのか、血みどろをずいぶん見ておられたと思うのです。

フランスのリシェ(注=シャルル・リシェ。生理学者、ノーベル医学賞受賞)という人が、第一次大戦後に出しました「人間愚かなるもの」という本がありますが、この本の中でリシェが、人間はどうして果てしもなく、にくみ合い、殺し合うことをやってきたか。いまや人間は、にくまないものをもにくめないものをも、あえて殺すような戦争をやるまでに堕落してきた。おそらくは、文明は、科学は、もっと進歩するだろうが、人間の堕落は、にくまないものをも大量殺戮するその残虐さと、おろかしさを、もっとやるのではないか、というふうなことを書いています。

それを、もっと小さくしたケース、バックをもっと小さくしたようなものが、あの親鸞の若い時代ではなかったでしょうか。親鸞も、同じように、人間どうしてこうおろかなのか。その宿業をなげき、もだえていたに違いないと思います。いってみれば、人間のもつ闘争本能、この闘争本能についても、親鸞はずいぶん考えられ、悩まれたのではないでしょうか。