Classici giapponesi con furigana
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うたせてやらぬかたきうち
討たせてやらぬ敵討
長谷川 伸
Leggi 討たせてやらぬ敵討 (うたせてやらぬかたきうち) di 長谷川 伸 (はせがわしん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.752 caratteri · 22 schermate
「武勇だって。武勇というものは、尋常無事のときにばかり知れるものかのう。きい殿はえらい目利き者じゃ」
抛り出すようにいって、自分を慰めてはみたものの、自分の非力は知り過ぎるほど知っていた。力から武勇が生れ出るとは思わないが、亡父の甲を頭にのせただけで、首を自由にふることの出来なかった宮内は、心の底の方では、あきらめをつけねばならぬと覚悟はしていた。しかしそれは思っただけで、恋争いの敗北の痛みは、臓腑に深く刻みつけられた。
逆臣誅罰の一番手に、幸いにも編入された宮内は、胸一つには抑え切れない嬉しさを感じた。何処で堀主水の三百余人に、追いつくか知らないが華々しく闘って、骨細者の非力とうたわれた腕から、どのくらいの斬れ味が出るかを見せつけてやろうと思った。そうしたら慎九郎にはいい見せつけになる、それよりは力を男選みの秤にかけた治部太夫の娘が、非力者の勇気を聞き知ったら、さぞ事の案外に愕くだろうことを、宮内はまず空想して愉快に思った。しかし、宮内の空想は水で描いた画だった。追いかけた主水主従が、棄てて行った槍鉄砲などを、二股山で拾って引き返しただけで、討手の役は、その後立ち消えとなってしまった。