Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なぞのおんな

謎の女

平林 初之輔

Leggi 謎の女 (なぞのおんな) di 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9077 caratteri · 18 schermate

Aozora Bunko

二

それでも二人とも、ひどく退屈だったので、一日のうちに五度や六度、パーラーや、玉突き場で顔を合わせぬ日はなかったので、一週間あまり滞在しているうちに、自然に顔馴染になってしまった。

「貴方梅園へいらして?」

「いいえ、まだ行きません」

「ちょうど今が見頃だそうですわ」

「そうですか、じゃ見てくるかなあ」

龍之介は自然に対しては、あまり興味をもっていなかったので、梅園などちっとも見たいと思わなかった。要するに梅の木がたくさん生えて、それに花が咲いているにすぎんのだと思うと、わざわざ見物に行く気は起こらなかった。それにどんなに見に行きたいにしたところで、一人っきりで、一人っきりの女を誘うようなことはできないたちだったので、お座なりに、独り言のような調子でばつを合わせたのだった。

「いらっしゃるのだったら、あたしもおともさせていただきますわ」

「そうですね」彼には相手の返事が意外だった。それでも、ひどく退屈だったので、誘われてみると、パーラーで、新聞を隅から隅まで読み返しているよりも、外へ出た方がいくらかましなような気がした。「じゃ見てきましょうか?」

二

車の中で、二人はだまっていた。