Classici giapponesi con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate
道に迷って、川岸にぼんやり立ちどまっているのです。
男の姿はどこにも見えませんでした。
「せめて、馬でもつかまえてやろう」
丸彦はそういって、しずかに歩みよって、まんまと馬をつかまえました。
つかまえてみると、なおさらりっぱな馬でした。これほどの馬は、どこをさがしても見つかりそうもありませんでした。
丸彦はすっかりうれしくなりました。その馬にのり、法螺貝をこわきにかかえて、家へ帰りました。
そして丸彦は、長彦にあって、馬をいけどりにしてきたわけを話し、馬のじまんをしました。
長彦はいいました。
「なるほど、これはりっぱな馬だ。しかし、この馬をつかまえてきたことが、よいことになるか、悪いことになるか、いっそう用心しなければなるまい」
「私がひきうけます」と、丸彦はいいました。
丸彦はただ、馬のことがうれしくてたまりませんでした。そして、観音様のお堂のそばに、りっぱな馬ごやをつくりました。
五
それから、しばらくたちますと、なんとなく、怪しいことが目につくようになりました。
観音様にお詣りにくる人たちの中にまじって、目つきの鋭い、へんな男が、こっそりようすをうかがってるようでもありました。