Classici giapponesi con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate
広場のかたすみのやたい店ではなくて、りっぱな建物の一階、きれいなガラス戸がたっていて、明るく電灯がともってる店、中にはいっぱい、花をかざり、いろんな品物をならべる。温室にさいた珍しい花、世界各地からきた珍しい品物、お伽ばなしのような美しい店です。
そんなことを二人は空想し、話しあいました。そして毎日、広場のやたい店にでるのがたのしくなりました。
ところが、ある晩、マリイはやってきませんでした。それから次の晩も、また次の晩も……。病気なのでしょうか。何が起こったのでしょうか。
トニイは心配になりました。夜おそくおくっていったことがあるので、マリイの住居はわかっていました。トニイはたずねていきました。
ごみごみした裏町の、そまつな大きなアパートでした。うす暗い階段をのぼっていって、三階の、奥の部屋です。
トニイはそっと戸をたたきました。ひっそりしていて、何の返事もありません。トニイはまた戸をたたきました。少し強くたたきました。
しばらくすると、しずかに戸が少し開かれました。そしてマリイの大きな目がその間からのぞきました。
「あ、トニイさん……」
マリイはかけだしてきて、トニイの両手をとりました。