Classici giapponesi con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate
それから、きっぱりしたちょうしでいいました。
「とにかく、そのお金は、もすこししまっておくがいいよ。そして君は、花売りにでないで、家にじっとしておいでよ。僕にいい考えがある。僕に任せといてくれ。今に、はっきりさしてやるから……」
三
トニイはふしぎでなりませんでした。マリイの家にかかってる写真と、あるりっぱな紳士と……それがよく似ているんです。写真の方は、鳥打帽に水夫服の、そまつなみなりです。紳士の方は、中折帽に背広服をつけ、ダイヤかなんかのネクタイピンを光らせ、時計の金鎖を胸にからませ、べっこうぶちの眼鏡をかけています。けれども、眉から鼻から口もとまで、そっくり同じです。
へんな紳士でした。トニイがやたい店にぼんやりしていました時、その紳士が一人で通りかかって、しばらく絵はがきをあれこれ手にとってながめて、一枚も買わずに立ち去りました。それから戻ってきて、笑いながらいいました。
「絵はがきの代はいらないのかい」
「どの絵はがきですか」とトニイはたずねました。
「はははは、君はぼんやりだな。これだよ」
彼は上衣のポケットから絵はがきを四五枚とりだしました。